新聞記者

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劇場公開日:

新聞記者

解説・あらすじ

「怪しい彼女」などで知られる韓国の演技派女優シム・ウンギョンと松坂桃李がダブル主演を務める社会派サスペンス。東京新聞記者・望月衣塑子の同名ベストセラーを原案に、若き新聞記者とエリート官僚の対峙と葛藤をオリジナルストーリーで描き出す。東都新聞の記者・吉岡エリカのもとに、医療系大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届く。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、強い思いを秘めて日本の新聞社で働く彼女は、真相を突き止めるべく調査に乗り出す。一方、内閣情報調査室の官僚・杉原は、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務に葛藤していた。そんなある日、杉原は尊敬するかつての上司・神崎と久々に再会するが、神崎はその数日後に投身自殺をしてしまう。真実に迫ろうともがく吉岡と、政権の暗部に気づき選択を迫られる杉原。そんな2人の人生が交差し、ある事実が明らかになる。監督は「デイアンドナイト」の藤井道人。第43回日本アカデミー賞では最優秀作品賞、最優秀主演男優賞(松坂桃李)、最優秀主演女優賞(シム・ウンギョン)の3冠に輝いた。

2019年製作/113分/G/日本
配給:スターサンズ、イオンエンターテイメント
劇場公開日:2019年6月28日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第43回 日本アカデミー賞(2020年)

受賞

最優秀作品賞  
最優秀主演男優賞 松坂桃李
最優秀主演女優賞 シム・ウンギョン

ノミネート

最優秀監督賞 藤井道人
最優秀脚本賞 詩森ろば 高石明彦 藤井道人
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(C)2019「新聞記者」フィルムパートナーズ

映画レビュー

3.0挑戦は買うがもったいない

2020年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

シム・ウンギョンも松坂桃李も素晴らしい演技をしている。撮影監督の今村圭佑の作る陰影の強い映像も見応えある。なによりこの題材に挑んだことは高く評価されるべきだ。
しかし、いろいろ問題点も多い。「新聞記者」というタイトルで、原作が現役新聞記者の書いた本であるなら、観客が期待するのは記者による情報集めが権力を追い詰めていく展開だろう。
例えば、「大統領の陰謀」や「スポットライト」のように、記者たちがわずかなソースを手がかりに情報の糸を手繰っていき真相を突き止めるような。しかし、本作の主人公の記者は自分で情報を取ってこれない。情報を取ってくるのはもっぱら内調の杉原だった。なぜこの記者は自分の足で情報を取りに行かないのだろう。思わせぶりなことをツイートしてる暇があったら現場で情報を取る努力をしてくれと何度も思ってしまった。
森達也監督の「i 新聞記者ドキュメント」を観ればわかるが、実際の望月記者は、とてもアクティブに全国を飛び回っている人だ。内調の内部告発頼りでいいのか。それで「新聞記者」という存在の意義を描いたといえるだろうか。
藤井光監督の実力は確かだと思う。この作品はもっと良いものにできたはずだ。

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杉本穂高

3.5「空母いぶき」に共通する邦画の挑戦と限界

2019年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

忖度と同調圧力が増すこの国で、現政権に異議を唱えること(フィクションではあるが、定例会見における菅官房長官との“対決”で注目を集めた東京新聞記者・望月衣塑子の著書が原案)に重点を置く劇映画を製作すること自体が、とてつもなくハードルの高いチャレンジだっただろう。主演の一人である松坂桃李をはじめ名の通った俳優を集め、公開までこぎつけたことに心より敬意を表する。

ただ、肝心の女性記者役に日本人女優をキャスティングできなかったことが、邦画界の限界を示してもいる。一定以上売れている女優に“反体制”の色がつくのを、所属事務所が嫌ったのでは。韓国人女優シム・ウンギョンは健闘したし、帰国子女という設定にして日本語ネイティブでないこともエクスキューズしたが、望月記者のトレードマークとも言えるあの執拗な質問を劇中で再現できなかったのは言語の壁が一因ではなかったか。意欲作ではあるが、傑作への道は遠い。

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共感した! 112件)
高森 郁哉

3.0善悪の二元論で語れない部分

2025年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

NHKがやる報道系のドキュメンタリー番組を映画にしたような内容で、確かに映画として見れば幾つか画期的な試みがある。

20年前に起きたようなことを、証言録取を基にして構成するような番組は、基本的に当事者がすでに亡くなっていたり、現場を離れていたりして取材が困難なことと、利害の対立がない分だけ忖度の必要がないメリットの両面があり、真相は藪の中というのが定番の決着だ。

この映画は、リアルタイムで起きている事件をモデルに現政権の問題点や疑惑を鋭くえぐっている。各方面から圧力がかかっても不思議ではなく、完成までこぎつけて公開したのだから、製作者の功績は認められて然るべきだ。

しかも日本アカデミー賞を受賞したとあっては2重の驚きだ。映画を潰しにかかれば逆に注目が集まる可能性があるだけに、黙殺されてもおかしくない。

私も、後乗りで、それほどの評価をされたのなら見てみようと思いWOWOWで録画視聴したクチで、熱心に追いかけたわけでも何でもない。解説の小山薫堂氏が明言していたが「女優は誰もオファーを受けなかった」とか「内容の切り込み具合に問題があり、民放テレビ局では放送出来ないだろう」などのコメントがさりげなく痒いところに手の届く話だったので興味深い。

さて、肝心の映画としての出来なのだが、『クライマーズ・ハイ』を基準にして考えたら、あの領域まで辿り着けていないと言わざるを得ない。時間が経てば経つほど色あせてしまう内容だ。あくまでも、現実に起きている事件を元に、人間の尊厳と正義を追求する新聞記者をていねいに描いてあるだけで、例えば新聞もニュースもほとんど見ない人種には価値のない映画だろう。

日本映画としては画期的、という注釈付きの映画で、政治に詳しい人から見たら、恐ろしく極端な二元論で語られていることに、逆に不安を感じるのではなかろうか。確かに、こんな映画は日本では見たことがなかった。

観客を、それほどまでに阿保だと決め付けてかかっているのか、それとも製作陣がキレイごととして信じ切っているのか。私には、前者に感じられたのだが。

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うそつきかもめ

0.5確かに日本やばい

2025年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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zem_movie_review
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